DIYer in ドイツ: ネジ・ビスの種類

2008/05/29

ネジ・ビスの種類

 ドイツ語で、ネジ・ビスは Schraube [シュラウベ] (複数形は Schrauben [シュラウベン]) と言います。
 DIYをしない人でも、ドライバーくらいは持ってますよね。家具などのゆるんだネジを締めることはやったことがあるのではないでしょうか。イラスト(頭でっかちに描いています)の5種類のネジ・ビスはドイツでよく使われているネジの種類です。日本だとプラスドライバー#2とマイナスドライバー1本があれば、日常生活はなんとかなりますね。六角は知ってる、、、トルクスは見たことあるかも、、、ポジドライブ??、、ポジドライブは、プラスとよく似ていますが、45度の角度に小さい切り込みがはいっています(この切り込みのおかげでドライバーと密着しやすくなっています)。
 意外とドライバーのサイズに規格があることを知らない人がいますが、これは知っておいて損はありません。ネジ頭とサイズの違うドライバーを使うと、ネジ頭の溝が潰れてしまい、後々大変なことになります。規格のあったドライバーを使うというのは、基本中の基本であり、非常に大切な事なのです。


■ドライバーの規格


 マイナスドライバーの規格は、
先端の横幅をそのまま表記します。先端の幅が5mmであれば、5や-5という表記です。ドイツも同じです。Flach5は、先端幅5mmのマイナスドライバーです。Flach は、英語の flat で、平べったいという意味です。マイナスドライバーは、多少サイズが違っても大きな問題ではありません。小さすぎたり、大きすぎたりしなければ良いと思います。

 プラスドライバーの規格は、1番、2番、3番とあります。ほとんどのネジは2番、電化製品に多いのが1番、ドアの蝶番などが大きいものが3番です。数字が大きくなるほど、十字が大きくなります。0番や00番といった規格は精密ドライバーといい、眼鏡のネジを締めるのによく使われます。日本では4番というのもあるそうですが、見たことはありません。日本では、+1、+2、+3や#1、#2、#3というように表記されます。だいたいセットで売っていますね。
 ドイツでも同じですが、表記が異なります。プラスネジは、専門用語でフィリップスというので、PH1、PH2、PH3という表記になります。アメリカのフィリップス社が開発し特許を持っているようで、アメリカではフィリップスと言えばプラスネジのことだそうです。本来のドイツ語は"Kreuzschlitz" (=クロス・スリットの意)ですが、"Phillips" という名が浸透しているようです。

 さて、問題のポジドライブです。昔ホームセンターの工具売場で働いていたときに、お客さんからポジドライブのドライバーはあるか」と聞かれ、何???と焦って上司を探したことがありました。スキーやスノーボードのビンディング(海外製品)に使われていることが多いようです。
 見た目は
プラスと似ているのですが、フィリップスとは互換性がないので注意が必要です。写真左 PZ がポジドライブ、右 PH がフィリップスです(クリックで写真が大きくなります)。よく見ると分かりますが、①:PZ には4枚の十字の羽根の間45度の位置に、凸状の小さな山があります。②:4枚十字羽根の断面形状に注目。PZ は、厚さが均等なのに対し、PH は先端に行くほど薄くなっています。ということは、当然ネジ頭の溝の断面もこれに合うように作られているということです。
 もうお分かりの通り、ポジドライブのネジ頭はフィリップスのドライバーにはフィットしません。入るからといって無理に回すと、ネジ山が潰れて(=なめて)しまいます。
 
 ポジドライブのネジはフィリップスより密着性がよいので、ドイツでは気に入って使われています。表記は、PZ1、PZ2、PZ3
というようになっています。フィリップスと間違えそうな大きさ、表記で困りますね。簡単な見分け方は、一番最初のイラストにあるように、ネジ頭の十字溝に45度でクロスしている細い線です。これがあるものは PZ ですから、日本から持ってきたプラスドライバーでグリグリしないように気をつけましょう。

 ホームセンターでは、ネジやビスの表示をよく見てから買いましょう。PZ2 をプラスの2番だと思って買ったら、どうも回しにくいなあということになります。写真はビスのケースですが、隅のほうに頭の絵が描いてあり、"Z" という表記があります。これはポジドライブのことです。ちなみに左側の "SPA" とあるのは、スパドライブといって、ポジドライブの仲間です。スパもポジもイギリスの会社が特許を持っているそうです。日本で正規実施権を持っているのは、VESSEL 社です。

 ヘックスドライバー・六角レンチは、
対辺幅を表記します。ミリ規格とインチ規格があり、ミリ規格は、1.5、2、2.5、3・・・というように0.5mmか1mm単位で表記されます。インチ規格は、1/8、5/32、3/16・・・というような表記です。ミリ規格とインチ規格に互換性はありません。日本はミリ規格がほとんどですが、インチ規格もたまにあります。ミリ規格のレンチやビットがぴったり入らないときは、インチ規格である可能性があります。ドイツはミリしかないようで、ホームセンターでインチのヘックスはネジもレンチも全く扱っていません。

 トルクスは、6角星型の穴がネジ頭にあります。星の頂点幅で規格が決まっ ているようですが、もとがインチの規格なので、数字自体はあっていません(ex. T10 →頂点幅2.74mm)。日本でも、輸入車や輸入家電で見るようで、ドライバーは売っています。一度、ビス頭を確認せずに、軸径と長さだけ見て買って帰ったら、トルクスビスでびっくりしたことがあります。ドイツで買ったビットセットには、トルクスがあったので、普通に使われているのでしょ う。Tと頭についているのは、ネジ頭が凹、ドライバーが凸というT型で、逆はE型と言います。 アメリカのカムカーテキストロン社という会社が開発し、商標を持っているらしいです。

 ドイツで電動ドリルドライバーを買うと、PH、PZ、マイナス、ドリルビットがセットになっていたりしますし、別売のビットセットを買うと上の写真のように、5種類+ドリルビットが入っています。BOSCH などのメーカー品でなければ、18Vの充電式電動ドライバーが20€程度から買えます。


ネジの規格
 

  日本で多く流通しているのはミリネジ
、メートルネジ(JIS規格、ISO規格)で、ネジ目のピッチがミリ単位(ex. ・・・1.0/1.25/1.5・・・)で刻まれています。インチネジは1cmの中にネジ目が何山刻まれているかで規格が決まります。日本では、海外製品やカメラ・三脚などはインチネジが使われているようです。ぱっと見で細かいピッチは分からないので、ピッチケージというネジ目のピッチを測るための道具がありますが、専門の人でない限りこれは必要ないでしょう。大抵、ホームセンターのネジ・ボルト・ナットが売っているコーナーには見本があります。例えば、同じネジが欲しい、このネジに合うナットが欲しい、ここについてたネジがなくなったなど、自分の持っているものをホームセンターへ実際に持って行き、見本コーナーで合わせてみるのがベストです。

 日本でも、ドイツでも、"M"と頭につくのが、ミリネジ・メートルネジです。ドイツでは
"M"とつくものしか見かけません。どのネジにも、DIN というドイツ工業規格(Deutsches Institut fur Normung)の番号と共に ISO の規格番号が振られており(ISO はミリ)、インチネジは流通していないようです。同じISO規格のネジ同士なので、径とネジ山のピッチが合えば、互換性はありそうです。でも実物を持っていって確かめてみるのが確実ですね






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